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窓から粉雪が舞い降りる情景を眺めていると、何故か無の境地へ入りゆく。ただ何でもない日常のありふれた風情だけど色彩の魔法に絡まれてゆく。古都に滞在していた私は自然の重ねを雅やかに衣で表現する時間を愛おしむゆえに、絵巻に展開するヒロインをお手本にしていた。行事の度に羽織るので感性が全てである。その一瞬の閃きは将来への組み合わせに変化させる。そして、源氏の君が御殿の季節に憧れ、私もやわらかに思いをよせる。気持ちを包む粉雪は遥かな記憶の私をも確かに繋いでくれる象徴である。