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私は古都で生まれた。歴史の薫りが息づいている街並みが織り成す歳時は季の移り変わりを体感させる。雑踏の中ともすれば忘れてしまいそうな和らぎを自然と時間に融合させつつ過ごしたような気がする。見上げながら枝垂桜が並ぶ路地を制服を着て歩いていた私は友人達と茶店によく立ち寄りした日のことを思い出す。可愛らしく表現された菓子を頬張りお薄を何杯もねだる私をお女将さんは笑顔で語りかけご主人はサービスしてくれた。帰ってきたらいつも顔出しする。後で寄ろう。梅の香りが霞める今日はどんな作品かしら…。