百合子の部屋

前回のブログにて、
お財布を落とした話をしていて
思い出したことがある。



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高校生の時、朝の登校途中で
お財布を落としてしまったことがあった。



バス会社に連絡をしても 鉄道に連絡をしても
財布の落し物の届けは無いと言われた。



落ち込む私。するとその夜、
自宅に知らない声の男性から電話があり、
私のお財布を拾ったとのことでした。



お財布には学生証が入っており、
それに載っている自宅の電話番号を見て
電話をかけてきてくれたのだとか。
（当時の学生証は個人情報がダダ漏れでした）



お財布を渡して貰うべく、翌日の学校帰りに
その男性と会うことになりました。
もちろん、何処の誰かもわからない男性。



待ち合わせをした男性は車で来ていました。
歳は20代半ばくらい。
とても優しそうで落ち着いた雰囲気の男性に
『いい人に拾ってもらってよかった！』と
私は胸を撫で下ろしました。そして彼に
「せっかくだから少し走ろうか♪」
と言われたので彼の車に乗りました。



落ち着いた喋り方、車でのドライブ、
それまで同い年の男の子としか
付き合っていなかった私には
彼が随分大人の男性に見えました。



まずはお礼を言って、他愛ない話を。
学校がどうだとか、部活がどうだとか。
優しいお兄さん的な彼は
よく話を訊いてくれました。
そしてお財布も返してくれました。
中身もちゃんと全部ありました。



そして、彼はこう言った。
「落とし主を探す為に、申し訳ないんだけど
お財布の中を見させてもらったんだけど…」



え？ あぁ、うん、そうですよね、
学生証を見て電話をしてくれたんだもんね、
と私。



「お財布の中に…コンドームが入っていたよ」



はっ！



「高校生なのに、そんなコト、するの？」



えっ!! と、焦る私。
確かに当時、いつでもどこでも
やりたい時にエッチができるようにと、
常にお財布にコンドームを入れていた。



それが見つかった。
気まずい。恥ずかしい。



私が恥ずかしそうにしていると彼は



「まだ高校生なのに、イケナイコだね。」と
優しく笑って言った。



私は自分の顔が赤くなるのを感じた。



そして続けて彼はこう言った。



「よかったら、僕とも…さ、しない？
お財布の中の学生証の写真を見た時から
君に一目惚れしちゃったんだ。」



えっ?!  ちょっと待って、そんな展開？



慌てて返事が出来ないでいる私を見て、
彼は薄暗い路肩に車を停め
運転席から身を乗り出しキスをしてきた。



んんっ………………



当時からイケナイコトが好きで
誰より性に興味津々だった私。
当時の彼氏は同級生だった為に
車も車の免許証も持っていなく、
車の車内でエッチなことをするという事が
物凄く刺激的で興奮してしまい、
イケナイと思いつつそのまま車内で……



帰り道、彼に、
「また会ってもらえる？」と訊かれたけれど
当時の私には『二度目』という
遊び方はなかったので
その後彼と会うことはありませんでした。



私の中を通り過ぎていった1人の男。
今となっては懐かしい思い出です ^^*








百合子

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