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雪の名残が消えてゆく中往来する人々は襟を立てながら足早に進む。私も開店前の街並みをすぎてオフィスへ歩いてゆく途中に春を探して目を輝かす。枝の分かれに新芽を覗かすと生命の息吹に称賛を送る。毎年巡りゆく時節ゆえど心弾む趣に日常の癒しを感じてゆく。馴染みの職人に春をねだり和菓子を頂くと幼い日に母と歩いた小道に咲いた梅の佇まいを思い出す。そういえばもうすぐ母の法要だ。市場へ花を求めて彼女が好きだった彩りを探す。母と逢う日に何を語ろうかな…。